お知らせ
第4回 浜松ICTシンポジウム(2月2日終了)開催概要のご報告*期間限定
2018年4月9日
第4回 浜松ICTシンポジウム 開催報告
Hamamatsu Information and Communication Technology Symposium 2018

第4回浜松ICTシンポジウムもご協力・ご参加を賜り、誠にありがとうございました。
厚く御礼を申し上げますとともに、開催当日の概要をここにご報告申し上げます。
2018年3月吉日 NPO法人 浜松ソフト産業協会

【第1部-1】光・電子技術を活用した未来創成ビジョン

伊東 幸宏 氏
公益財団法人浜松地域イノベーション推進機構
フォトンバレーセンター センター長
公益財団法人浜松地域イノベーション推進機構
フォトンバレーセンター センター長
伊東氏はフォトンバレーセンターの役割の紹介を通して、浜松地域の未来産業を創成するビジョンの上での光・電子技術活用の重要性を提案した。
もともと浜松地域の産業は輸送用機器など主に単一の技術に特化した「単峰型」構造であった。これを将来の社会を支えるロボット、航空宇宙、健康医療、新農業、そして次世代自動車など新たな輸送用機器といった多様な産業が林立する「連峰型」構造に変えていくためには、全構造を見直す必要がある。
次世代の技術はIoT、ビッグデータ、AI、ロボットといった共通基盤技術の上に創造される。それらは画像や音声などの外部情報をセンシングし、取得した情報を処理し、アクチュエータなどで外部に影響を与えるものであるが、そういった共通基盤技術を支える技術の大きな部分に光・電子技術があり、それらを扱うためには情報技術が必要となる。光や音に関する技術といえば、世界でも浜松にしかない技術がある。浜松の人たちはそれを強く意識して、それを生かすことを考えなければならない。
基盤技術である光・電子技術や情報技術は、それだけで産業機器として成立するものは少なく、むしろ新産業など応用領域の拡大や既存産業の高度化を下から支えるものである。
基盤である光・電子技術や情報技術がどれだけ力強いかによって、その上に立つ産業がどれだけ高くにいけるのかが決まる。そういう意識であるべきと考えられる。
静岡県内にはほかにファルマバレー構想やフードバレー構想がある。それらはそれぞれ、ファルマであれば医薬品・医療機器、フードであれば機能性食品を中心とした食品産業に関する産業そのものを育成することが目的だった。しかしフォトンバレー構想は光産業そのものの促進にとどまらず、それを基盤技術としたすべての産業の高度化、応用範囲の拡大、生産性の向上を目指すものとなる。フォトンバレーセンターはそれを支えるものであらねばならない。
大学等研究機関と大・中小企業が近接であること、国の事業等を活用し培った豊富な研究結果といった「光・電子に関する知の集積」が、静岡県西部の強みの一つである。そして輸送機器産業等で鍛え上げられた「高度なものづくり技術」もまた、ほかの地域にはない強みの一つである。しかしながらそれら二つの強みはうまく結びついていない。これらが結びついたときに、次世代に向けた新産業の創出へとつながる。
一部では大学等で研究された成果を現場で役立て、技術へ転換していこうとする動きも始まっている。様々な組織がそれぞれ独自に働き始めることは大事なことだが、それらが向いている方向を地域として一致させていくことが必要であり、大学、商工会議所などの産業支援、官公庁、連携支援機関、金融機関などをネットワークとしたハブとして企業に一貫した支援をしていくのが、フォトンバレーセンターの役割となる。
人材育成や、ビジネスマッチング、創業立地環境の整備、海外交流の促進など産業支援機関が行っていることもフォトンバレーセンターで行っている。
もともと浜松地域の産業は輸送用機器など主に単一の技術に特化した「単峰型」構造であった。これを将来の社会を支えるロボット、航空宇宙、健康医療、新農業、そして次世代自動車など新たな輸送用機器といった多様な産業が林立する「連峰型」構造に変えていくためには、全構造を見直す必要がある。
次世代の技術はIoT、ビッグデータ、AI、ロボットといった共通基盤技術の上に創造される。それらは画像や音声などの外部情報をセンシングし、取得した情報を処理し、アクチュエータなどで外部に影響を与えるものであるが、そういった共通基盤技術を支える技術の大きな部分に光・電子技術があり、それらを扱うためには情報技術が必要となる。光や音に関する技術といえば、世界でも浜松にしかない技術がある。浜松の人たちはそれを強く意識して、それを生かすことを考えなければならない。
基盤技術である光・電子技術や情報技術は、それだけで産業機器として成立するものは少なく、むしろ新産業など応用領域の拡大や既存産業の高度化を下から支えるものである。
基盤である光・電子技術や情報技術がどれだけ力強いかによって、その上に立つ産業がどれだけ高くにいけるのかが決まる。そういう意識であるべきと考えられる。
静岡県内にはほかにファルマバレー構想やフードバレー構想がある。それらはそれぞれ、ファルマであれば医薬品・医療機器、フードであれば機能性食品を中心とした食品産業に関する産業そのものを育成することが目的だった。しかしフォトンバレー構想は光産業そのものの促進にとどまらず、それを基盤技術としたすべての産業の高度化、応用範囲の拡大、生産性の向上を目指すものとなる。フォトンバレーセンターはそれを支えるものであらねばならない。
大学等研究機関と大・中小企業が近接であること、国の事業等を活用し培った豊富な研究結果といった「光・電子に関する知の集積」が、静岡県西部の強みの一つである。そして輸送機器産業等で鍛え上げられた「高度なものづくり技術」もまた、ほかの地域にはない強みの一つである。しかしながらそれら二つの強みはうまく結びついていない。これらが結びついたときに、次世代に向けた新産業の創出へとつながる。
一部では大学等で研究された成果を現場で役立て、技術へ転換していこうとする動きも始まっている。様々な組織がそれぞれ独自に働き始めることは大事なことだが、それらが向いている方向を地域として一致させていくことが必要であり、大学、商工会議所などの産業支援、官公庁、連携支援機関、金融機関などをネットワークとしたハブとして企業に一貫した支援をしていくのが、フォトンバレーセンターの役割となる。
人材育成や、ビジネスマッチング、創業立地環境の整備、海外交流の促進など産業支援機関が行っていることもフォトンバレーセンターで行っている。

伊東氏がフォトンバレーセンターに参加した背景には、新しい産官学連携の仕組みを作りたいという思いがあった。
EUが資金提供するACTPHASTでは、まずスカウトが中小企業から拾い集めた課題の中から支援するべきとしたもののために、研究機関や大学など23機関から参加する200人を超える光技術の専門家の中からプロジェクトチームを作る。資金は課題を持つ中小企業ではなく、このプロジェクトチームに渡る。プロジェクトチームは6~8ヵ月でプロトタイプ、あるいは試作品までは支援する。これ以降商品化まではそれを有用と判断した金融機関・地方政府の資金、研究機関・大学などが個別に支援することとなる。
欧州ではこの仕組みを10年かけて作り上げた。この仕組みの重要なところの一つは資金がプロジェクトチームに渡されること、もう一つは6~8ヵ月という短期間で行われることである。
浜松版ACTPHASTがあれば、中小企業に埋もれている技術を積極的に取り入れることができる。外部との連携が苦手な大学も、中小企業のニーズを徹底的に取り入れることにより、重要な役割を担える魅力的な形に変わることもできる。
ここに有効な資金が回る仕組みを作ることができればと伊東氏は考える。
EUが資金提供するACTPHASTでは、まずスカウトが中小企業から拾い集めた課題の中から支援するべきとしたもののために、研究機関や大学など23機関から参加する200人を超える光技術の専門家の中からプロジェクトチームを作る。資金は課題を持つ中小企業ではなく、このプロジェクトチームに渡る。プロジェクトチームは6~8ヵ月でプロトタイプ、あるいは試作品までは支援する。これ以降商品化まではそれを有用と判断した金融機関・地方政府の資金、研究機関・大学などが個別に支援することとなる。
欧州ではこの仕組みを10年かけて作り上げた。この仕組みの重要なところの一つは資金がプロジェクトチームに渡されること、もう一つは6~8ヵ月という短期間で行われることである。
浜松版ACTPHASTがあれば、中小企業に埋もれている技術を積極的に取り入れることができる。外部との連携が苦手な大学も、中小企業のニーズを徹底的に取り入れることにより、重要な役割を担える魅力的な形に変わることもできる。
ここに有効な資金が回る仕組みを作ることができればと伊東氏は考える。
【第1部-2】フォトンカウンティングイメージングを含んだ極微弱光イメージングとその応用

丸野 正 氏
浜松ホトニクス株式会社 取締役 システム事業部長
浜松ホトニクス株式会社 取締役 システム事業部長
丸野氏は微弱光イメージング技術の事例を通して、異なる技術の融合により革新的な技術発展が行えることを発信した。
光とは波動性と粒子性を併せ持つと知られており、光の量を極限まで減らしていくとエネルギーをもった粒子(光子=フォトン)として観測される。その光子の数を計測する方法がフォトンカウンティングである。
このフォトンカウンティングにおいて、入射フォトン数が1平方ミリメートルあたり毎秒1~2個の領域が極微弱光領域といわれている。室内の明かりが毎秒1兆~10兆個、0等星の星明かりで毎秒1万個であることを考えると、デジタルカメラや肉眼では観測できない領域となる。
フォトカウンティングに用いる微弱光センサー「イメージインテンシファイア」は、光子を受けて光電子をはじき出す光電面、光電子を増倍するマイクロチャンネルプレート、増倍された電子を受けて光を発する蛍光面からなる。
1982年浜松ホトニクスは、光の波動性を証明するヤングの干渉実験を、極微弱光状態で行った。フォトカウンティングの技術で一つ一つの光子が観測されたが、これを長時間累積で観測していると波動性を示す結果が得られている。
産業分野への応用として、時間分解エミッション顕微鏡TriPHEMOS がある。これを使って、半導体のスイッチング時に発生する微弱光を検出し、LSI内部の動作タイミングの計測が行える。
光とは波動性と粒子性を併せ持つと知られており、光の量を極限まで減らしていくとエネルギーをもった粒子(光子=フォトン)として観測される。その光子の数を計測する方法がフォトンカウンティングである。
このフォトンカウンティングにおいて、入射フォトン数が1平方ミリメートルあたり毎秒1~2個の領域が極微弱光領域といわれている。室内の明かりが毎秒1兆~10兆個、0等星の星明かりで毎秒1万個であることを考えると、デジタルカメラや肉眼では観測できない領域となる。
フォトカウンティングに用いる微弱光センサー「イメージインテンシファイア」は、光子を受けて光電子をはじき出す光電面、光電子を増倍するマイクロチャンネルプレート、増倍された電子を受けて光を発する蛍光面からなる。
1982年浜松ホトニクスは、光の波動性を証明するヤングの干渉実験を、極微弱光状態で行った。フォトカウンティングの技術で一つ一つの光子が観測されたが、これを長時間累積で観測していると波動性を示す結果が得られている。
産業分野への応用として、時間分解エミッション顕微鏡TriPHEMOS がある。これを使って、半導体のスイッチング時に発生する微弱光を検出し、LSI内部の動作タイミングの計測が行える。

生物・物理学の分野では、従来の光学顕微鏡では不可能であった光学解像度限界(回折限界・200nm)を超える超解像イメージング技術が、異なる技術の融合による挑戦で実現している。
2次元微弱光イメージセンサであるイメージインテンシファイアは定量性・高解像度を求める応用では、半導体イメージセンサに広く使われるようになってきている。CMOSはデジタルカメラやスマートフォンの普及とともに開発が加速し、半導体製造技術の急速な進歩に伴って、民生用に高速、高解像度が実現されているが、これを科学計測用へ応用させるべく発展させたものが、科学計測用CMOS(SCMOS)である。SCMOSは入射光の検出効率を極限まで高めるため、センサのノイズ量を光子1個を検出レベルよりも小さく抑えることで、信号を増倍することなく検出された光子の数を直接計測することが可能となるレベルに至っている。
このSCMOSセンサは、生物分野における蛍光顕微鏡画像観察に広く使われるようになった。蛍光顕微鏡下における生きた細胞を観察するために、無色透明の細胞を緑色蛍光タンパク質(GPF、のちにYFP(黄)、RFP(赤)などへ発展)を用いて蛍光染色し、その微弱な蛍光をSCMOSで観察することで画像化する技術が確立されたが、さらにこれらの蛍光分子を時間的、空間的に個別に光らせ、蛍光分子の中心位置をさまざまなアルゴリズムを使って算出することで、光学分解能限界を超えた超解像蛍光顕微鏡技術(PALM/STORM)の原理が実用化されている。
このように半導体技術の進歩による新たな微弱光観察用イメージセンサSCMOS、先進的な光学顕微鏡技術、コンピューターを使った高速アルゴリズム処理、蛍光試薬開発が重なって、全く新しい超解像光学顕微鏡が誕生した。
最後に丸野氏は、こういった一つになるとは思えなかった異なる技術が合わさると、物理学的な高額分解能の限界を超えることができた、同様に、地元で異なる技術の連携をしっかりやっていけば、新しい技術、知恵といったものが出てくるのではないか、連携の重要性というものを説いていきたい、と語った。
2次元微弱光イメージセンサであるイメージインテンシファイアは定量性・高解像度を求める応用では、半導体イメージセンサに広く使われるようになってきている。CMOSはデジタルカメラやスマートフォンの普及とともに開発が加速し、半導体製造技術の急速な進歩に伴って、民生用に高速、高解像度が実現されているが、これを科学計測用へ応用させるべく発展させたものが、科学計測用CMOS(SCMOS)である。SCMOSは入射光の検出効率を極限まで高めるため、センサのノイズ量を光子1個を検出レベルよりも小さく抑えることで、信号を増倍することなく検出された光子の数を直接計測することが可能となるレベルに至っている。
このSCMOSセンサは、生物分野における蛍光顕微鏡画像観察に広く使われるようになった。蛍光顕微鏡下における生きた細胞を観察するために、無色透明の細胞を緑色蛍光タンパク質(GPF、のちにYFP(黄)、RFP(赤)などへ発展)を用いて蛍光染色し、その微弱な蛍光をSCMOSで観察することで画像化する技術が確立されたが、さらにこれらの蛍光分子を時間的、空間的に個別に光らせ、蛍光分子の中心位置をさまざまなアルゴリズムを使って算出することで、光学分解能限界を超えた超解像蛍光顕微鏡技術(PALM/STORM)の原理が実用化されている。
このように半導体技術の進歩による新たな微弱光観察用イメージセンサSCMOS、先進的な光学顕微鏡技術、コンピューターを使った高速アルゴリズム処理、蛍光試薬開発が重なって、全く新しい超解像光学顕微鏡が誕生した。
最後に丸野氏は、こういった一つになるとは思えなかった異なる技術が合わさると、物理学的な高額分解能の限界を超えることができた、同様に、地元で異なる技術の連携をしっかりやっていけば、新しい技術、知恵といったものが出てくるのではないか、連携の重要性というものを説いていきたい、と語った。
【第2部-1】IoT時代のセンサーデータ活用の事例と課題

森川 恭徳 氏
NPO法人 浜松ソフト産業協会 理事
株式会社モアソンジャパン 代表取締役社長
NPO法人 浜松ソフト産業協会 理事
株式会社モアソンジャパン 代表取締役社長
森川氏は、浜松ソフト産業協会会員企業の事例を通して、次のようにIoT時代のセンサー技術に必要なことと、IoTシステムの活用事例を紹介した。
IoTシステムは、センサーからのデータ取得、通信でのデータ収集、データ分析、データの可視化によって構成される。
データ取得に必要なセンサーには多くの種類があるが、用途に合ったものを選択することが重要となり、またより高度かつ正確なデータ収集には用いるセンサーの精度が必要となる。
特に浜松には光に関するセンサーの強みがある。
通信でのデータ収集に関して。現在使われている通信にはいくつかの方式があるが、通信可能な距離と通信速度、そして省電力性とコストが方式に関わってくる。これらの要求を勘案して、適切な通信方式を選択する必要がある。近年ローパワーかつ低コストな通信方式が普及し始めていて、IoTシステムの構築が容易になってきた。
特に無線の通信を選択する際には、使用場所・動きの有無、データ量、通信頻度、必要なセンサーの数が重要な検討項目となる。
データを分析に関して。データの種類には、数値、画像、波形データといったものがある。時間軸上の変化や情報間の相互作用が加わると急速に複雑さが増す。
データの解析にはFFT(高速フーリエ変換)・ウェーブレット変換、最小二乗法、また、複雑なデータ分析のためには機械学習(Deep Learning含む)など、必要な手法を用いて分析することとなる。
機械学習を使う場合、機械学習にも様々な手法があるがそれぞれに得意不得意なことがあり、どの分析方法が適しているかは試行錯誤の上、選択することになる。選択の指針としては正確性・トレーニング時間・使いやすさがある。検討すべき項目としては与えるデータの質、大量のデータを与えるためのデータ収集方法が挙げられる。
データの可視化・サービス化に関して。集めたデータは活用しなければ意味がない。しかし、最初から目的が明確になるとは限らない。分析したデータをBIツールなどで可視化し、そこから効果的なアクションにつながる評価指標や判断基準となるデータを決定する。この手順を繰り返すことによって、従来では分からなかったことが明らかになる。そうして得られたデータ、データが生んだ価値が、現存する見えていない事象(製造条件・自然現象など)を可視化したり、既存のデータからの現象予測(故障予測・購買傾向)を行うなどのサービスを生むことにつながる。
IoTシステムは、センサーからのデータ取得、通信でのデータ収集、データ分析、データの可視化によって構成される。
データ取得に必要なセンサーには多くの種類があるが、用途に合ったものを選択することが重要となり、またより高度かつ正確なデータ収集には用いるセンサーの精度が必要となる。
特に浜松には光に関するセンサーの強みがある。
通信でのデータ収集に関して。現在使われている通信にはいくつかの方式があるが、通信可能な距離と通信速度、そして省電力性とコストが方式に関わってくる。これらの要求を勘案して、適切な通信方式を選択する必要がある。近年ローパワーかつ低コストな通信方式が普及し始めていて、IoTシステムの構築が容易になってきた。
特に無線の通信を選択する際には、使用場所・動きの有無、データ量、通信頻度、必要なセンサーの数が重要な検討項目となる。
データを分析に関して。データの種類には、数値、画像、波形データといったものがある。時間軸上の変化や情報間の相互作用が加わると急速に複雑さが増す。
データの解析にはFFT(高速フーリエ変換)・ウェーブレット変換、最小二乗法、また、複雑なデータ分析のためには機械学習(Deep Learning含む)など、必要な手法を用いて分析することとなる。
機械学習を使う場合、機械学習にも様々な手法があるがそれぞれに得意不得意なことがあり、どの分析方法が適しているかは試行錯誤の上、選択することになる。選択の指針としては正確性・トレーニング時間・使いやすさがある。検討すべき項目としては与えるデータの質、大量のデータを与えるためのデータ収集方法が挙げられる。
データの可視化・サービス化に関して。集めたデータは活用しなければ意味がない。しかし、最初から目的が明確になるとは限らない。分析したデータをBIツールなどで可視化し、そこから効果的なアクションにつながる評価指標や判断基準となるデータを決定する。この手順を繰り返すことによって、従来では分からなかったことが明らかになる。そうして得られたデータ、データが生んだ価値が、現存する見えていない事象(製造条件・自然現象など)を可視化したり、既存のデータからの現象予測(故障予測・購買傾向)を行うなどのサービスを生むことにつながる。

浜松ソフト産業協会参加企業のIoTシステム事例としては以下のようなものがある。
その中で森川氏は、浜松にはモノづくりの強力な力、経験やノウハウがあり、協力できればもっと大きな力になる、と話した。
- 株式会社ゴードーソリューション 「“Nazca Neo Linka”IoTシステムによる工作機械の可視化ソリューション」
- 株式会社カタナコーポレーション 「データ圧縮ライブラリCVCシリーズ CvcApi/CvcWave/CvcCODEC」
- 株式会社CAIメディア 「対話型英会話ロボット チャーピーチョコレート」
- エグジーテック株式会社 「産業用ラインカメラを使用した製品検査ソフトウェア」
- 株式会社アローセブン×株式会社モアソンジャパン 「モーターをはじめとする製造設備の故障診断ソリューション」
- 株式会社モアソンジャパン 「生体音を測定し異常の予兆を掴む」
その中で森川氏は、浜松にはモノづくりの強力な力、経験やノウハウがあり、協力できればもっと大きな力になる、と話した。
【第2部-2】浜松での自動運転の取り組み、自動運転の技術

須山 温人 氏
SBドライブ株式会社 CTO
SBドライブ株式会社 CTO
須山氏は、浜松で行われている自動運転試験の事例紹介を通して、将来における自動運転の必要性とその中でSBドライブが目指す未来コンセプトについて講演した。
SBドライブ株式会社では自動運転バスの実証試験を行っている。
浜松で試験を始めた背景には、浜松市、スズキ株式会社、遠州鉄道株式会社との「浜松自動運転やらまいかプロジェクト」の始動がある。
バスを選定したのは、走行ルートが決まっているので技術的・運用的に実現性が高い、車両コストが高くても回収できる、地方のバスは赤字で課題が多いことから早期ビジネス化が可能であることによる。
浜松では実験の第一弾として、軽自動車を用いて、自動運転ではないが交通課題の解決とニーズの収集を行うために自動運転に対応した運行管理システムの試験が行われている。運転手と会話することなく、スマートフォンを用いた予約から目的地到着までがシステム化されている。
浜松以外でも活動しており、それぞれの地域に合った交通課題に最適なビジネスモデルを探している。
バス自動運転を研究する理由は、深刻化する交通課題にある。
運転手の不足、人件費の増加、全国の9割の路線バスが赤字である状況、自治体の補償費用も発生している。その解決として自動運転に期待が集まっている。
なぜソフトバンクかということであれば、ソフトバンクは常にその時代の成長分野を牽引してきた。ソフトバンクの次の3つの柱として、IoT、AI、スマートロボットを据え、その適用先に自動運転もあるとしている。
また、自動運転車のハードウェア、OS、キャリア、サービスと階層となっているシステム構造はスマートフォンと同じで、ソフトバンクグループの従来サービスと親和性がある。
2017年に全国初の公道実験が行われた際には、無人運転に乗客が不安を感じないよう車両とネットワーク接続したPepperの車掌を載せたり、乗客が走行中に立ち上がるなどの危険を防止する車内見守りAIを導入するなど、自動運転だけでなく、通信とサービスを含めたトータルソリューションの検証を行っている。
自動運転の実現性について、国内の法改正が進みつつある現状で、一定条件下での完全自動運転車のナンバー取得が可能となったり、公道実験が可能になったりしつつある。おそらく、2020年には自動運転のサービスが実現しているのではないかと須山氏は語った。
自動車の新しいトレンドは、Connected(C:情報ネットワークへの接続)、Automation(A:自動化)、Share(S:自動車の共有化)、Electrified(E:電動化)の頭文字をとった「CASE」に挙げられる。
今後は、大量に集まるデータを上手に処理する(Connected)、開発に企業体力が必要になる(Automation)、必要台数が減る代わりに耐久性などが必要となるニーズが変化する(Share)、参入障壁となっていたエンジンがモーター化することにより競争が激化する(Electrified)といった変化が起こるだろう。
車両への接続規格や手段は開発各社で様々な方式が存在している。
SBドライブ株式会社では自動運転バスの実証試験を行っている。
浜松で試験を始めた背景には、浜松市、スズキ株式会社、遠州鉄道株式会社との「浜松自動運転やらまいかプロジェクト」の始動がある。
バスを選定したのは、走行ルートが決まっているので技術的・運用的に実現性が高い、車両コストが高くても回収できる、地方のバスは赤字で課題が多いことから早期ビジネス化が可能であることによる。
浜松では実験の第一弾として、軽自動車を用いて、自動運転ではないが交通課題の解決とニーズの収集を行うために自動運転に対応した運行管理システムの試験が行われている。運転手と会話することなく、スマートフォンを用いた予約から目的地到着までがシステム化されている。
浜松以外でも活動しており、それぞれの地域に合った交通課題に最適なビジネスモデルを探している。
バス自動運転を研究する理由は、深刻化する交通課題にある。
運転手の不足、人件費の増加、全国の9割の路線バスが赤字である状況、自治体の補償費用も発生している。その解決として自動運転に期待が集まっている。
なぜソフトバンクかということであれば、ソフトバンクは常にその時代の成長分野を牽引してきた。ソフトバンクの次の3つの柱として、IoT、AI、スマートロボットを据え、その適用先に自動運転もあるとしている。
また、自動運転車のハードウェア、OS、キャリア、サービスと階層となっているシステム構造はスマートフォンと同じで、ソフトバンクグループの従来サービスと親和性がある。
2017年に全国初の公道実験が行われた際には、無人運転に乗客が不安を感じないよう車両とネットワーク接続したPepperの車掌を載せたり、乗客が走行中に立ち上がるなどの危険を防止する車内見守りAIを導入するなど、自動運転だけでなく、通信とサービスを含めたトータルソリューションの検証を行っている。
自動運転の実現性について、国内の法改正が進みつつある現状で、一定条件下での完全自動運転車のナンバー取得が可能となったり、公道実験が可能になったりしつつある。おそらく、2020年には自動運転のサービスが実現しているのではないかと須山氏は語った。
自動車の新しいトレンドは、Connected(C:情報ネットワークへの接続)、Automation(A:自動化)、Share(S:自動車の共有化)、Electrified(E:電動化)の頭文字をとった「CASE」に挙げられる。
今後は、大量に集まるデータを上手に処理する(Connected)、開発に企業体力が必要になる(Automation)、必要台数が減る代わりに耐久性などが必要となるニーズが変化する(Share)、参入障壁となっていたエンジンがモーター化することにより競争が激化する(Electrified)といった変化が起こるだろう。
車両への接続規格や手段は開発各社で様々な方式が存在している。

SBドライブは人と車両、すべての物の状況を把握して最適に配置していく「移動の自動化・最適化エンジン」で情報革命し人・モノを直接動かすことを未来のコンセプトとしている。
須山氏は最後に、不要なところにモノが集中したり、あるべきところからモノが廃されたりといった不適切な状況にならないよう良い最適配置にしていきたい、また、日本は高齢化、人件費などの問題を抱える一方、強い自動車メーカーや政府の後押し、世界と戦えるIT企業がそろっている、その中で新しい歴史をつくり、日本の競争力を維持したい、それが浜松から世界へ発信できればと語った。
須山氏は最後に、不要なところにモノが集中したり、あるべきところからモノが廃されたりといった不適切な状況にならないよう良い最適配置にしていきたい、また、日本は高齢化、人件費などの問題を抱える一方、強い自動車メーカーや政府の後押し、世界と戦えるIT企業がそろっている、その中で新しい歴史をつくり、日本の競争力を維持したい、それが浜松から世界へ発信できればと語った。

協賛・賛助協賛およびご後援いただいた皆様に心より御礼申し上げます。
*以下50音順敬称略
◆協賛(4社)
NTTコミュニケーションズ(株) 西日本電信電話(株)
浜松ホトニクス(株) ヤマハ発動機(株)
◆学術協賛
日本ソーシャルデータサイエンス学会
◆賛助協賛(25社)
(株)ITSC (株)ITロボット塾 (株)アスカプランニング
(株)アドウィル (株)アバンセシステム 天方産業(株)
(株)アミック (株)アルファプロジェクト エイグローブ(株)
エグジーテック(株) (株)エヌエスティー (株)エンテック
(株)カタナコーポレーション (株)カワイビジネスソフトウエア
(株)ゴードーソリューション (株)CAIメディア (株)シーポイントラボ
(株)システミクス (株)電興社 (株)東海情報システム
(公財)日本電信電話ユーザ協会 (株)浜名湖国際頭脳センター
(株)モアソンジャパン ユニバーサルネットワーク(株) レクソル(株)
◆後援(15法人)
浜松市 浜松商工会議所 (公財)浜松地域イノベーション推進機構
国立大学法人 静岡大学 公立大学法人 静岡文化芸術大学 光産業創成大学院大学
(株)静岡銀行 浜松信用金庫 遠州信用金庫 磐田信用金庫
静岡新聞社・静岡放送 中日新聞東海本社
K-mix(静岡エフエム放送(株)) FM Haro! 浜松ケーブルテレビ(株)
今後ともご支援を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
2018年3月吉日
*以下50音順敬称略
◆協賛(4社)
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浜松ホトニクス(株) ヤマハ発動機(株)
◆学術協賛
日本ソーシャルデータサイエンス学会
◆賛助協賛(25社)
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(株)アドウィル (株)アバンセシステム 天方産業(株)
(株)アミック (株)アルファプロジェクト エイグローブ(株)
エグジーテック(株) (株)エヌエスティー (株)エンテック
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(株)システミクス (株)電興社 (株)東海情報システム
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◆後援(15法人)
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今後ともご支援を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
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浜松ICTシンポジウム実行委員会
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